【高校野球~】肩が柔らかいと怪我の素!?

高校生を追跡調査をした結果、肩が柔らかい選手は投球障害の発症確率が高いことが分かりました。

このページでは

「どのように肩の柔らかさをチェックするのか」
「肩が柔らかい選手はどのようなトレーニングをすればよいのか」

に関して記載したいと思います。

目次

  1. 肩の柔らかさをチェックしよう
  2. 18㎝以上は要注意
  3. 肩が柔らかい選手は、他も柔らかく
  4. 肩が柔らかい選手に有効なトレーニング
  5. まとめ ~体幹を柔らかくしたら~

まずは、肩の柔らかさのチェック方法(肘床面距離)を紹介します。

人差し指を腰の中心で合わせます。

肘床面距離1

その状態で上向きに寝て

肘床面距離2

ひじをできるだけ高く上げ、床(ベット面)と肘頭(ひじのでっぱり)との距離(以下 肘床面距離)を測ります。

肘床面距離3

半年間追跡調査をした結果、

この肘床面距離が19㎝以上だった選手が投球障害(肩・ひじ)を発症した確率は40.9%でした。
また、19㎝未満だった選手の投球障害を発症した確率は16%でした。

よって19㎝以上の選手は19㎝未満の選手に比べて2.6倍発症しやすいことになります。

誤差を考えて・・・18㎝以上は要注意!と覚えましょう。

また、肘床面距離が23㎝以上の選手は60%以上の確率で投球障害を発症していました。
さらに注意が必要となります。

肩が柔らかい

しかし、パフォーマンスの高い選手も肩が柔らかいと言われております。
(肩が柔らかい大谷選手;https://matome.naver.jp/odai/2146877711724204601
肩の柔らかさは、まさに「諸刃の剣」。
では、肩が柔らかい選手はどんなことに気を付ければよいのかを次にまとめます。

データでみると、肩が柔らかく、体幹が硬い選手が投球障害になっていることが分かりました。よって、肩が柔らかい選手は、体幹を硬くしないことを人一倍気を付けなくてはいけません。

体幹の硬さに関しては、いわゆる「広背筋テスト」と「腹筋回旋テスト」との関りが強い傾向にあります。以下を参考にチェックしてみてください。

広背筋テスト
広背筋テスト

腹筋回旋テスト

腹筋回旋テスト

肩が柔らかいにも関わらず、この二つのテストのうち、どちらか一つでもできていない選手は投球障害の発症率が100%でした。

肘を付けたまま鼻より高く上がるか(初級(2))(少年野球5.1)

統計的に最低限必要な腹筋トレーニングはこれだ!(初級(2))

 

以上の結果から、肩が柔らかい選手は体幹も柔らかくというこで、下記3つのトレーニングを行いましょう。

体幹の側屈方向へのストレッチ

体幹ストレッチ

胸を張って背中を伸ばすストレッチ

体幹ストレッチ2

腹筋の回旋トレーニング

体幹回旋ストレッチ

 

「体幹のチェック項目はクリアーできた」という選手は、下記のホームページを参考に他のチェックも行ってみてください。

【高校野球】監督必見!怪我をしない選手の特徴

 

この記事の作成者


亀山顕太郎亀山顕太郎
Kentaro Kameyama

理学療法士
スポ・ラボ(一社)代表理事

神奈川県横浜市出身、理学療法士になってから様々なデータよりケガをしている選手の特徴を調べ、学会にて報告。
石井医師とスポ.ラボを立ち上げてからは、4000人以上のデータを収集し解析。前向きに追跡調査をすることでどのような選手が怪我をするのかを研究している。また、研究の様子を報告しているfacebookでは、3万人以上のフォローワーがいる。


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