筋力トレーニングは目的に応じてそのプログラムデザインが変わります。
下記では各目的に沿った、具体的な方法について取り上げました。
ここで紹介したように、目的に応じたトレーニングの設定として主に負荷(重量)、量(回数)、休憩時間がありますが、それ以外にも筋力トレーニングを実施する上で知っておくべき基礎知識があります。
それが「トレーニング時の角度」と「トレーニング速度」の特性です。
目次
1. トレーニングの角度特性とは
トレーニングの角度特性とは、結論から言えば、動かした角度(曲げた角度)での筋力は良く向上するが、動かしていない角度(曲げていない角度)での筋力はあまり向上しないということです。
図Aを見てください。これはヒジを曲げるアームカールのトレーニングをどの角度で行ったかによって、それぞれの角度での筋力増加に差が出てしまったという実験結果を示しています。
つまり、指摘角度までしっかりと動かしてトレーニングをすれば、その場所での筋力は向上するということです。
2. スクワットのトレーニングで
例えば、スクワットのトレーニングの際に「太ももが地面と平行になるまで曲げるように」などと指導されることがあると思います。
そこまでヒザを曲げることで太ももにより大きな負荷が加えることができ、捕球姿勢のような低い姿勢での筋力の向上が期待できるのです。
ただし、野球であればポジションによってヒザがどこまで曲るのかを想定した上でトレーニングすることも、トレーニング実施するための一つの考え方になります。
基本的なトレーニングフォームでのトレーニングに加えて、自身の野球動作(打つ動作、投げる動作、捕球動作、走る動作)を踏まえて上で、上半身、下半身、体幹のすべてにおいてどこまで動かすべきかを考えながらトレーニングを実施してみてください。
3. トレーニングの速度特性とは
トレーニングの速度特性とは、結論から言えば、トレーニング速度に応じた速度の筋力が向上するということです。逆に、トレーニング速度とは異なった速度での筋力向上はあまりしないとも言えます。
図Bを見てください。低速度でトレーニングをした場合には、低速度での筋力増加率が高いのに対して、高速度での筋力増加はあまり見られません。一方、高速度でのトレーニングをした場合には、高速度での筋力が最も向上しているのに対して、低速度の筋力向上はほぼ見られません。
つまり、常にゆっくりとした低速度でのトレーニングだけをしていたら、スピーディーな動きに対応した筋力の向上は起こりにくいということになります。