試合に向けた脳のウオーミングアップ

ウオーミングアップと言えば、試合や練習に向けて体をより良い状態にすることだと、多くの方が自然と感じているものだと思います。ウオーミングアップとしては、筋肉の温度を高めること、柔軟性を高めること、心肺機能の循環を高めることなどがあります。

もう一つ大切なのが、脳のウオーミングアップです。体を動かす指令を出すのは脳だと考えるならば、体への指令をスムーズに行うために脳のウオーミングアップが必要なはずです。
そこで、今回は試合に向けたコンディショニングとして、脳のウオーミングアップに着目してご紹介します。

脳のウオーミングアップとは、ズバリ適度な覚醒状態を保つことです。この“適度”というのが大切です。
交感神経が強く働いているときは覚醒が強過ぎる状態となるので、いわば緊張し過ぎていることになります。一方、副交感神経が強く働いているときは、リラックスしている状態となり、そこから最大限のパフォーマンスを発揮できるとは言えません。
従って、交感神経と副交感神経のどちらかが極端に強いというわけではない、適度な覚醒状態を保つことが脳のウオーミングアップとして考えるべきことであり、これがいわゆる“ゾーン”と言われるものではないかと脳生理学者は発言しています(図A)。

図A 覚醒状態

では、脳の適度な覚醒状態に影響しているものは何なのでしょうか。

続きは下記をご覧ください
https://www.bbm-japan.com/baseballclinic/17264478

この記事の作成者


笠原政志笠原政志
Masashi Kasahara

国際武道大学体育学部・大学院 准教授
博士(体育学)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
日本トレーニング指導者協会認定上級トレーニング指導士

千葉県習志野市出身。スポーツ選手の傷害予防と競技力向上に関するコンディショニングを科学的に捉えたアプローチを実践し、現場と研究の橋渡しの役割を担っている。特に今まで経験値による指導が多かった野球選手のコンディショニングについてを、客観的に示した上でのアプローチ方法について研究したものを現場に提供している。


関連記事

  1. 高校・大学・プロ野球/しっかりした捕球姿勢がとれるか

    レギュラーの基本条件!しっかりした捕球姿勢がとれるか

  2. 野球カラ

    野球カラ会員のご案内 (メルマガ登録) ※新規募集はしておりません

  3. 図A 最大ランニング

    ウォーミングアップのコツ!スピードリハーサルの必要性

  4. 股関節内旋

    腰痛を起こす選手の特徴

  5. 高校野球診断システム

    高校野球選手のための投球障害・予測システム

  6. 図A 筋温

    ウオーミングアップの時間~どれくらいすればいい?~