[Lesson5] スイング軌道をインサイドアウトにする手首の使い方

目次

  1. 身体の近くからバットを出していく「インサイドアウト」
  2. コックができると、ヘッドが走る!
  3. ヘッドが走るコツは、コックを作ることが重要
  4. コックの利点を再確認しよう!
  5. ボトムハンドのコック
  6. トップハンドのコックの練習方法
  7. 両手でコックを作る練習

身体の近くからバットを出していく、「インサイドアウト」
最後の要素は手首です。トップハンドの肘をねじ込んでも手首の状態次第でアウトサイドインになってしまいます。

手首の状態を表す用語として「コック」という言葉があります。ゴルフではなじみのある言葉かもしれませんが、この考え方が非常に重要です。

インサイドアウト コック

コック アンコック

そもそもコックとは?

この画像は、本来バットを振る形とは違った形で、見やすいように振っています。左の写真の手首の形が「コック」が効いている状態で、右がコックが効いていない状態「アンコック」といいます。

野球 スイングスピード

ヘッドが身体から近いとコックが効いている状態(写真右)。
ヘッドが身体から離れていると、コックが効いていない状態(写真左)。

そしてこのコックが効いていると、コース打ちがしやすくなりますし、ヘッドが走りやすくなり、スイングスピードも上がります。

コックができると、ヘッドが走る!
言っていることは、なんだかわかるようなわからないような感じがします。

そこで別の競技ではありますが、剣道をイメージするとしっくりきます。

高校野球 コック

画像の左と右を見比べて見てください。

これは剣道の構えをバットでした状態ですが、左はコックが効いていない状態。
右はコックが効いた状態です。

剣道は右側のような状態からぴしっと、竹刀を振りすかと思います。
左側のようなコックが効いていない状態ですと、ぴしっと振ることは難しいかと思います。

コックが効いていない状態で竹刀を振り下ろすと軌道が大きくなりすぎていわゆるキレのないダラーとしたスイングになります。

コックが効いていないと、画像のような大きい軌道を描いてしまいます。
逆に、コックが効いていると、小さい軌道で振ることができます。
これは、まさしく野球でいうインサイドアウトとアウトサイドインの違いと同じです。

それでは、実際にバッティングでどのようにコックを作っていきます。

バッティング グリップ

まずトップハンドの肘をねじ込んだ形を作ります。そしてもう一つ肘・グリップを押し込んでください。剣道でやったコックが完成します。

よく「グリップをぶつけていけ!」と言われるかと思いますが、それはコックのことです。

ヘッドが走るコツは、コックを作ることが重要になってきます。

インサイドアウト コック

コックができると剣道でいうぴしっと鳴るようなスイングなります。

コックができるということは、今までやってきたトップハンドの肘のねじ込みは最低限必要になってきます。バットを走らせたい場合は「コックを効かせる」ことが重要です。

コックの利点を再確認しよう!

これまでのLesson5の記事で、コックを作ることの効果を説明してきました。実際に「コックが効いているとバットが走る」ということを体感してみましょう。

コック バット

画像のように、侍が刀を抜く時の構えから、スタートします。

侍が刀を抜き振り抜く時も、画像のようにコックができます(緑丸)。
逆にコックができないと、サヤがあるので剣を抜くことができません。
剣自体はバットでいいので、画像のように構えてください。

そして右手は動かさず、剣を抜くようなイメージで画像のようにバットを出してます。そうすると、コックができてバットが加速しているのが体感できます。

バッティング 高校野球

そして少しずつ、構えている位置を画像のように上に持っていき、本来のバッティングと同じような位置に近づけていきます。

コックを作ることを習得するための練習を、もっと具体的に紹介していくのですが
いきなり両手を使っての習得は、難しいです。
ですので、まずは片手ずつコックを体得しましょう。

まずはボトムハンドのコックです。

ボトムハンド コック

この練習は、ひとつ前に紹介した刀を抜くイメージの練習と似ているのでイメージしやすいかと思います。
しかし、注意点もありますので、そこを説明していきます。

まず画像の赤丸で囲まれたトップハンドのように、トップハンドの位置を肩より上に持ってきてください。

そしてバットを短く持ち、トップハンドの親指と人差し指の間にバットをおき、ここからバイオリンを引くようにバットを引き抜いてください。

ここで注意点なのが、右手のトップハンドは絶対に動かさないでください。

そして、バットの先が最後まで、右手に触れているように意識しつつ引き抜いてください。実際にネットティーで打ってみるとよりインサイドアウトを感じやすいです。

ネットティー インサイドアウト

そして失敗として、画像にある赤い矢印の方向にバットが抜けてしまうのはNGです。必ずバットのヘッドの先まで、右手にすべらせてから、バットを引くようにしましょう。

今回の動画では、1つ前の記事でお話したトップハンドのコックの練習方法についてです。

ボトムハンド ポイント

まず構えは、画像のようにしていただいて、ポイントはバットをボトムハンドの手の甲において、擦るようにバットを出していきます。

今回はヘッドの先まで、擦ることは難しいので途中までで大丈夫です。

バットを出すときは、肘をねじ込むように意識するのと、バットを振り終わったら、最後は画像のように、抱きつくような終わり方をしていただくと、肩甲骨が前に出てきて、コックが作りやすくなります。肘をしっかりねじ込むには肩甲骨が引きでてくることが重要です。

これは素振り用の練習方法です。

素振り ボトムハンド

実際に球を打って練習するときは、ボトムハンド側の手で肘を持ち、ねじ込みを補助してください。そうすることで、コックをうまく作れます。

今回の記事では、両手でコックを作る練習についてです。

コック エクササイズ

ご紹介する練習方法は、「刀きりエクササイズ」です。

画像のように、左右両側をバットで切るように振ってください。

よりコックを意識しやすいように、画像のように自分の前に壁となるものを用意して練習すると、よりコックを作るイメージができやすく、スイングスピードの向上に繋がります。

この記事の作成者


西山陽一郎西山陽一郎
Yoichiro Nishiyama

理学療法士
KoshiCon代表

1979年生まれ、神奈川県出身。理学療法士として病 院に勤務するかたわら、「koshicon」を立ち上げ、野球の動作などを研究、分析。講習会などでその結果を現場にフィー ドバックしている。


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