バッティングにもピッチングにも必要なバランスをチェックしよう

手を胸の前で組んで、投げる側の足で「片足立ち」をします。3秒間しっかり立っていられたらokです。フラフラしてしまう子は、意識して片足立ちの練習をしましょう!

自分たちの調査では、3秒間安定した片足立ちができなかった少年野球選手は全体の7.1%でした。そのできなかった子たちの7割が、投げることで肩・ひじを痛めてしまう(野球肩・野球ひじ)ことが分かりました。これは、クリアーできた選手の1.67倍の確率です。

片足立ち3秒間/障害予防データ

片足立ちができない選手にどんなに野球を教えてもケガの素と言えます。陸上で行うすべてのスポーツで必要なバランス。どんなにストレッチをしてもバランスが悪いと、バランスを取るためにプレー中に体が固まってしまいます。不安定なトランポリンの上でバランスを取りながら投げるイメージです。不安定で体が固まった状態でボールを投げると、全身をうまく使えずに手投げになってしまいます。その繰り返しがひじや肩の故障の原因になります。少年野球では、まず片足立ちができるかどうかをチェックしてみましょう。

片足立ちをクリアーした選手は、↓の片足ジャンプで身長の90%を超えられるかをチャレンジしてみてください。

投げる方の足で立ってから横にジャンプします。グローブ側の足で着地してしっかり立っていられるかをみるテストです。身長の90%以上クリアーできればokです。

片足側方ジャンプで身長の90%を越せるか/障害予防データ

我々の調査では、身長の90%以上クリアーした選手は全体の20%でした。また、この20%の選手は、とべなかった80%の選手に比べて、ひじの痛みを起こさない傾向にあることが分かりました。ひじの痛みも足からの影響を受けるということが言えます。野球は下半身が大切と言いますが、まさにデータでみてもその通りの結果となりました。

この記事の作成者


亀山顕太郎亀山顕太郎
Kentaro Kameyama

理学療法士
スポ・ラボ(一社)代表理事

神奈川県横浜市出身、理学療法士になってから様々なデータよりケガをしている選手の特徴を調べ、学会にて報告。
石井医師とスポ.ラボを立ち上げてからは、4000人以上のデータを収集し解析。前向きに追跡調査をすることでどのような選手が怪我をするのかを研究している。また、研究の様子を報告しているfacebookでは、3万人以上のフォローワーがいる。


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