高校時代、硬式野球部のマネージャーを3年間務めていたときも、
管理栄養士になってから、高校硬式野球部の栄養指導をしていたときも、気になっていたことがあります。
それは、食事の内容やタイミングを気にする選手はすごく多いですが、
食事の時間を確保しようとする選手が少ないということです。
もちろん、これは選手に限ったことではないのかもしれません。
指導者の方、保護者の方にも読んでいただき、参考にしていただければと思います。
目次
1. からだを知る
からだを大きくするには、まずは自分のからだを知ることが大切です。
食事の内容も、トレーニングの内容も「からだ」を知らなければ考えられません。
指導に行き始めたころ、体重を聞いても答えられない選手が多かったです。
からだを大きくしたい、体重を増やしたいとは言うものの
今の自分が何kgなのかを知らないことに驚きました。
ですので、最初のステップとして「毎朝、トイレ後に体重を測って記録する」
これを習慣づけてもらいました。
体重測定の習慣がついたらステップ2「体重の増減した理由を考える」
・水分補給が少なかったかな?
・食事の量がいつもより多かったかな?
・練習量が多かったかな?
・便秘(もしくは下痢)気味かな? など
体重が大きく変動するのにはいくつかの理由が考えられます。
それをそのままにせず、自分で一度考えて、振り返ってみることが大切です。
そうやって自分と向き合うことで、からだを大きくするための意識づくりができます。
高校生は成長期であるため、身長が伸びている可能性があります。
身長が伸びる=骨が伸びる と考える選手が多かったのですが、
身長が伸びるということはからだが造られているということ。
つまり、筋肉量が増えているのです。
体重がなぜ変動したかを明らかにするためにも、成長期のうちは身長も定期的に測りましょう。
※部室に2mのメジャーを貼って、身長を測れるようにしました。
2. 食事を知る
「どうしたら体重が増えるのか」「何を食べたら体が大きくなるのか」
このような質問をされることが多いのですが、
普段、自分が「何を、どれだけ」食べているか知っている選手はほとんどいません。
そこで実施したのが「食事ノート」
このように、体重の記録だけではなく
いつ、何を、どれだけ食べたのかを記録してもらいました。
そうすると「意外と食べていなかった」「タンパク質が少なかった」など見えてくるものがあると思います。
もちろん、食事ノートも体重と同様に「理由」を考えてもらいました。
例えば、間食をしていたら「お腹がすいたから」「練習時にお腹がすかないため」
夕食が少ない場合は「練習で疲れて寝てしまった」など。
このメッセージに正解・不正解はありません。
自分がどうしてその行動をとったのか考えることは、選手の成長につながると考え自由に記入してもらいました。
その結果、自分が食べ過ぎてしまう日、食べなくなってしまう日の傾向がわかり、
1食のバランス、1日のバランス、1週間のバランスを考えられるようになりました。
3. 食事力を身に着ける
まず、質問です。
「野球をするためには、最初に何が必要ですか?」
「体力」「技術」「身体づくり」「体幹」と答える選手が多かったですが、
最初に必要なことは「道具を準備すること」です。
道具を準備して、練習時間を確保する。
食事も同じです。食べる準備をして、食べる時間を確保する。
これが一番大切なことです。
部活動に励む選手たちは、高校生でもあり、アスリートでもあります。
体力や筋力など、パフォーマンス向上のための食事も大切
成長期であるため、成長するための食事も大切
高校生は行事があり、その際の体重コントロールも大切
毎日授業を受けて、練習をして、土日は試合
学生アスリートは本当に多忙です。
。
一般的な高校生に比べ食べる量は多くなりますが、食べる時間は少ないのが現実です。
夜は確実に食べる時間がありません。
そうなると、食べる時間が確保できるのは「授業の間」
この隙間時間を有効に使うことが「からだを大きくする」ための第一歩です。
高校生の野球部だけではないと思いますが、
マネージャーをしていたときも、栄養指導に行った時も感じたのが
「食べるのが異様に早い」ことです。
おそらく、食べる量は多いにもかかわらず、食べる時間が少ないからだと思いますが、
良く噛まずに飲み込むように食べる“早食い”な選手が多かったです。
良く噛まずに食べるということは、胃の負担を大きくしています。
胃に負担がかかるということは、消化吸収率も悪くなってしまいます。
消化吸収を良くするためにも「良く噛んでゆっくり食べる」ことを意識しましょう。
4. まとめ
・からだを知るために「体重・身長」を記録する
・食事量を知るために「食事ノート」をつける
・授業の間などを有効に使い食べる時間を確保する
・食べきれる量を、良く噛んでゆっくり食べる
具体的な食事内容については、下記をご参照ください↓