監督必見!高校野球でホームランを打つためには!?必要な基礎体力

はじめに

下記は、某高校でバッティングに好評があり、一年から甲子園でクリーンナップを打った選手の入学時の基礎データになります。(平均は高校野球児の1-2年966名分のデータ)

身長180㎝・体重89kg(平均172㎝・66㎏)
握力47㎏/51㎏(平均43.1㎏/42.8㎏)
スイングスピード113.6㎞/h(平均109km/h)
投球方向への5段跳び800cm(平均701cm)
メディシンボール投げ1780㎝(平均1530cm)

すでに、入学時からすべての項目で平均は超えております。特に身長が大きく、体重も重いにも関わらず、ジャンプ能力が優れているというのが特徴に感じます。

また、下記はホームランバッターにも関わらずレギュラーになれなかった選手の基礎データです。

身長175㎝・体重98kg(平均172㎝・66㎏)
握力48.5㎏/43.6㎏(平均43.1㎏/42.8㎏)
スイングスピード139.2㎞/h(平均109km/h)
投球方向への5段跳び690cm(平均701cm)
メディシンボール投げ1220㎝(平均1530cm)

スイングスピードは一年の入学時で、高校野球児では第1位(スポラボ調べ)です。ただ、ジャンプ力やメディシンボール投げの能力には欠けているのが特徴です。なんとなく、体重に翻弄され、躍動感がない感じを思いうかべてもらえると良いかと思います。けど、芯に当たるとゴルフボールのように軽々とボールが舞い上がるホームランとなります。そんなイメージです。

このように、我々は、高校野球の指導者にご協力頂き、怪我の予防だけでなく、様々なパフォーマンスデータも調査してきました。その中で、強豪校レギュラーメンバーに特徴的な身体項目として統計的に有意に関りが強かったものが、「体重」、「握力」、「スイングスピード」、「ジャンプ力」でした。これらをクリアーすればレギュラーになれるわけではないのですが、トレーニングの一つの指標にしてもらえると良いかと思います。

<様々なジャンプテストとその結果>
様々なパフォーマンステストを行った中で、必ずと言って良いほど統計的に関りが強いのがジャンプテストでした。地面から得た力を大きなエネルギーに変えるという点では、ボールを投げる動作や打つ動作と共通な部分があるのではと考えます。股関節をしっかり曲げて伸ばせるかもポイントです。股関節の曲がりが浅いと十分な力を発揮することができません。今回は、いくつか代表的なテストを紹介します。

両足での三段跳び身長の3.7倍
両足をそろえたままの三段跳びです。身長の3.7倍を跳べるだけのジャンプ力があればokです【高⑧三段跳び】。

強豪レギュラーメンバーは全員クリアーしておりました。補欠、一般校のレギュラーメンバーも70%はクリアーしております。高校野球でレギュラーになるためには最低限必要な一つの指標になると思います。

片足ジャンプで身長を越せるか
片足ジャンプの距離を測定します。投げる方の足で立って、同側で着地して、身長を越えていたらokです【高⑦片足ジャンプ】。

様々な高校の野球部で片足ジャンプを測定したところ、強豪校のレギュラーメンバーは補欠や他校のレギュラーメンバーに比べ、片足ジャンプが統計的に有意に跳べることが分かりました。カットオフ値は自分の身長です。つまり、強豪校のレギュラーメンバーは、他のメンバーに比べて自分の身長を越えられる人が多いということになります。

投球方向への5段跳びが身長の4.3倍
投げる方の足だけで立ってから、片足立ちのまま投球方向に横向きで5歩ジャンプします。身長の4.3倍跳べればokです【高⑨側方5段跳び】。

強豪校レギュラーメンバーの70%がクリアーしておりました。補欠、一般校のレギュラーメンバーはクリアーできたのが32%です。クリアーする選手は、見ていると躍動感があります。よく「バネがある」という表現を使いますが、まさにそのような跳び方をします。一発のジャンプだけでなく、続けてジャンプをしてもバランスを崩さずに跳び続けることができるというのもポイントです。野球は下半身が大切といいますが、データでみてもまさにその通りの結果が出ました。

体重65㎏以上
強豪校レギュラーメンバーの、一つの目安として体重65㎏以上があります。
体重65㎏を超えるのは高校野球児の49%でしたが、強豪校レギュラーメンバーは91%が超えておりました。一つの参考値としてみるのは良いと思います。ただ、体重が増加してもジャンプ力が落ちてしまうとレギュラーメンバーから外れる確率が高くなります。ジャンプ力を保ちながら体重を増加するが統計的にはポイントです。

スイングスピード120㎞/h以上
強豪校レギュラーメンバーの、一つの目安としてスイングスピード120㎞/hがあります。
強豪レギュラーメンバーは64%がクリアーしていたこの値。その他のメンバーでクリア―できたのは10%でした。スイングスピードの速さは武器の一つにはなります。一つの参考値としてみるのは良いと思います。※測定はいつも試合で使っているバットで行っております。

握力50㎏以上
強豪校レギュラーメンバーの、一つの目安として握力50㎏があります。
握力50㎏を超えるのは高校野球児の32%でしたが、強豪校レギュラーメンバーは80%以上が50㎏を越えておりました。握力が強ければ強豪校でレギュラーになれるわけではありませんが、強豪のレギュラーメンバーは握力が強いです。あくまでも一つの目安としてとらえると良いと思います。

この記事の作成者


亀山顕太郎亀山顕太郎
Kentaro Kameyama

理学療法士
スポ・ラボ(一社)代表理事

神奈川県横浜市出身、理学療法士になってから様々なデータよりケガをしている選手の特徴を調べ、学会にて報告。
石井医師とスポ.ラボを立ち上げてからは、4000人以上のデータを収集し解析。前向きに追跡調査をすることでどのような選手が怪我をするのかを研究している。また、研究の様子を報告しているfacebookでは、3万人以上のフォローワーがいる。


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